po4a-build.conf

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Langue: ja

Version: 2010-08-07 (ubuntu - 25/10/10)

Section: 5 (Format de fichier)

名前

po4a-build.conf - 翻訳内容構築用設定ファイル

概要

po4a-build.conf は、既訳・未訳ドキュメントを未訳ドキュメントと対応する PO ファイルから、"po4a-build" がどのように構築するかを説明します。

すべてのサポートするフォーマットは、すべての組み合わせを、ひとつの po4a-build.conf 設定ファイルで扱い、"po4a-build" を一度呼び出すだけですみます。しかし、po/ ディレクトリを分割し、各実行をひとつの設定ファイルで扱うことも選択できます (それぞれ "po4a-build -f FILE" を呼び出してください)。

(たくさんのファイルを、ひとつの POT ファイルと "po4a-build" の一度の実行で組み合わせる際の制限については、後述する KEEP をご覧ください。

po4a-build に、スクリプト出力メッセージ翻訳用の gettext サポート追加が含まれているといっても、po4a-build.conf 自身には、そのような翻訳をサポートしていないことに注意してください。po4a-build.conf は、manpage のような静的内容の翻訳にのみ関係します。

po4a-build がランタイムメッセージの翻訳をサポートするには、po4a-runtime (7) をご覧ください。

サポートするフォーマット

現在、"po4a-build" は以下の組み合わせをサポートしています。
セクション 1, 3 用 Docbook XML
通常、POD のような自分のドキュメントフォーマットがない、シェルスクリプトやその他のインタプリタが使用します。既存の manpage から "doclifter" を用いて直接適合する XML を生成でき、余計な作業負荷もなく "po4a-build"POT ファイルを生成できます。そこから翻訳用 POT ファイルを提供でき、関連する po/ ディレクトリに PO ファイルを配置できます。さらに、"po4a-build""doclifter" XML による未訳 manpage だけでなく、PO ファイルによる翻訳 XML の準備をするため "po4a" を用い、XML から翻訳 manpage を構築します。

デフォルトでは docbook-xsl を用いて manpage を生成します。"po4a-build" 設定ファイルの "XSLFILE" 設定を用いて使用するスタイルシートを上書きできます。

HTML 用 DocBook XML
最終的に HTML を準備するスタイルシートは、デフォルトのままにしておけます。また、"po4a-build" 設定ファイルの "HTMLXSL" 設定を用いて上書きできます。
セクション 1, 3, 5, 7 用 POD
サポートする各セクション用に、POD 内容を pod2man で変換します。

セクション 1 向けに "PODFILE"、セクション 3 向けに "PODMODULES"、セクション 5 向けに "POD5FILES"、セクション 7 向けに "POD7FILES" を使用してください。

(セクション 1 の内容でも使われるファイル名にしなければならない傾向がある) セクション 5, 7 の内容向けに、ファイル名の一部に 5 や 7 が含まれる場合、(ファイル名の拡張子と共に) 自動的に取り除かれます。

例えば、/usr/share/man/man7/po4a.7.gz の準備をするには以下のようにします。

  # セクション 7 用 POD
  POD7FILES="doc/po4a.7.pod"
 
 

ファイル内容

設定値は設定ファイル内で、どのような順番でもかまいません。

'#' 以降の内容を無視します。

常に空になる値は、ファイルから取り除けます。

設定フィールドのいくつかは必須です。必須フィールドを空にすると、po4a-build は何もせずに終わります。

CONFIG
必須です。
  # 設定ファイルの場所・名前
  CONFIG="_build/po4a.config"
 
 

"po4a-build" が生成・管理する (一時的な) "po4a" 設定ファイルの名前・場所です。このファイルは、バージョン管理システムの管理化にある必要はなく、パッケージの構築が終わると安全に削除できます。

PODIR
必須です。
  # PODIR manpage/doc 用 po ディレクトリ
  PODIR="po/pod"
 
 

設定ファイルから、翻訳をすべて処理する POファイルを格納するディレクトリです。文字列はすべてこのディレクトリにある POT ファイルにマージされ、PO ファイルをすべて POT ファイルとマージします。KEEP 閾値 (後述) は、このファイルで指定した全入力ファイルの全文字列と、このディレクトリにある全 PO ファイルに適用されます。ディレクトリは 'po' と言う名前である必要はありません。

POTFILE
必須です。

POTFILE へのパス (この設定ファイルの場所からの相対パス) です。ここに対して "po4a-build" が翻訳を生成・保守・更新を行います。

  # POTFILE パス
  POTFILE="po/pod/po4a-pod.pot"
 
 
BASEDIR
必須です。

翻訳内容を書き出すベースディレクトリです。

  # 生成したファイルのベースディレクトリ。例: doc
  BASEDIR="_build"
 
 
BINARIES
必須です。

単一パッケージを構築するとしても、少なくともひとつは値が必要です。

この文字列は任意ですが、通常パッケージ名からできています。生成した内容は、以下のように BASEDIR/BINARIES のサブディレクトリに現れます。

  _build/po4a/man/man1/foo.1
 
 

複数のパッケージを構築する (つまり、ひとつのソースパッケージから、複数の .deb ファイルや .rpmファイルを構築する) 場合 、構築プロセスの自動化を簡単にするため、このフィールドは各ターゲット向けの内容を隔離するのを助けます。

空白で文字列を分割します。

  # 生成した manpage を含むバイナリパッケージ
  BINARIES="po4a"
 
 
KEEP
"po4a -k" に直接渡される閾値で、構築前に翻訳を除外し、翻訳完了した内容にします。空のままにしたり、削除したりするとデフォルト値 (80%) を使用します。また、0 にすると、まったく訳されていなくても、強制的にすべての内容を含めるようになります。

この挙動を完全にコントロールするには、どのファイルを、どの po4a-build.conf 設定ファイルに割り当てるかを、慎重に検討してください。po4a-build.conf ファイルに列挙したすべてのファイルが、文字列翻訳完了率の計算対象になります。大きなファイルの翻訳がほとんど進んでいない場合、その他の小さなファイルが、100% 翻訳してあっても、含まれなくなってしまいます。

一方、翻訳者にとって、POT ファイルにたくさんのファイルが含まれている方が (特に共通する文字列が多いと) 都合がよいです。逆に、POT ファイルにたくさんの長い文字列があると、文字列の確定に時間がかかり、翻訳者の気力を奪ってしまいます。

  # 維持する翻訳率の最小閾値
  KEEP=
 
 
XMLMAN1
セクション 1 の manpage を生成するための DocBook XML です。ファイル名は空白で区切られます。すべてのファイルが、XMLDIR ディレクトリにある必要があります。

目次などを提供するために、複数の XML ファイルをひとつの book にまとめるのは、一般的な手法です。book に XMLMAN3 で指定したファイルも含む場合、book 自体ではなく、セクション 1 の XML ファイルだけをここに指定してください。book にこのセクションの内容だけがある場合、book ファイルを指定してください。

  # セクション 1 用 Docbook XML ファイル
  XMLMAN1="po4a-build.xml po4aman-display-po.xml po4apod-display-po.xml"
 
 
XMLMAN3
セクション 3 の manpage を生成するための DocBook XML です。ファイル名は空白で区切られます。すべてのファイルが、XMLDIR ディレクトリにある必要があります。

目次などを提供するために、複数の XML ファイルをひとつの book にまとめるのは、一般的な手法です。book に XMLMAN1 で指定したファイルも含む場合、book 自体ではなく、セクション 3 の XML ファイルだけをここに指定してください。book にこのセクションの内容だけがある場合、book ファイルを指定してください。

  # セクション 3 用 Docbook XML manpage
  XMLMAN3=""
 
 
XMLDIR
すべての DocBook XML ファイルの場所です。現在 "po4a-build" は、このディレクトリにある *.xml ファイルを探すと、XMLMAN1 と XMLMAN3 に列挙したすべてのファイルが見つかることを期待しています。

XMLMAN1XMLMAN3 を使用する場合、指定しなければなりません。設定ファイルの場所からの、相対パスです。

  # XML ファイルの場所
  XMLDIR="share/doc/"
 
 
XMLPACKAGES
BINARIES のリスト外で、どのパッケージが XML ソース内容を使用するかを指定します。

XMLMAN1XMLMAN3 で与えた値は、ここにも同様に与えなければなりません。

  # DocBook XML & xsltproc を使用するバイナリパッケージ
  XMLPACKAGES="po4a"
 
 
DOCBOOKDIR
XMLDIR と同様ですが、翻訳された DocBook ファイルを準備するために使用します。パッケージで .sgml ファイルを使用したい場合は、どのように構築するべきか、po4a-devel メーリングリストで議論してください。
  # .docbook ファイルを検索するパターン
  DOCBOOKDIR=""
 
 
XSLFILE
DocBook XML ファイルから、既訳・未訳の内容を処理するために使用する、XSL スタイルシート です。
  # Docbook XSL に使用する XSL ファイル
  XSLFILE="http://docbook.sourceforge.net/release/xsl/current/manpages/docbook.xsl"
 
 
PODFILE
セクション 1 の manpage を生成するための POD ファイルです。POD ファイルを空白で区切ります。使用する場合、設定ファイルの場所からの相対パスを指定する必要があります。
  # man1 用 POD ファイル
  PODFILE="po4a po4a-gettextize po4a-normalize scripts/msguntypot"
 
 
PODMODULES
POD 内容を含む perl モジュールに特化したサポートです。モジュール名はパスから再構築します (そのため一般的な perl のレイアウトであるべきです)。また、manpage を自動的にセクション 3 に配置します。
  # man3/ 用 POD ファイル - モジュール名はパスから再生成します。
  PODMODULES="lib/Locale/Po4a/*.pm"
 
 
POD5FILES
セクション 5 の manpage を生成する、任意の POD 内容です。使用する場合、設定ファイルの場所からの相対パスを指定する必要があります。

(セクション 1 の内容でも使われるファイル名にしなければならない傾向がある) セクション 5, 7 の内容向けに、ファイル名の一部に 5 や 7 が含まれる場合、(ファイル名の拡張子と共に) 自動的に取り除かれます。

  # セクション 5 用 POD ファイル
  POD5FILES="doc/po4a-build.conf.5.pod"
 
 
POD7FILES
セクション 7 の manpage を生成する、任意の POD 内容です。使用する場合、設定ファイルの場所からの相対パスを指定する必要があります。

(セクション 1 の内容でも使われるファイル名にしなければならない傾向がある) セクション 5, 7 の内容向けに、ファイル名の一部に 5 や 7 が含まれる場合、(ファイル名の拡張子と共に) 自動的に取り除かれます。

  # セクション 7 用 POD
  POD7FILES="doc/po4a.7.pod"
 
 
PODPACKAGES
XMLPACKAGES と同様です。内容を POD ファイルから構築するパッケージは、PODPACKAGES の値に含まれている必要があります。PODFILE, PODMODULES, POD5FILES, POD7FILES に何か値を指定する場合必須です。
  # POD を使用するバイナリパッケージ
  PODPACKAGES="po4a"
 
 
HTMLDIR
未訳・既訳 HTML を出力する BASEDIR のサブディレクトリです。
  # html 出力先 (BASEDIR のサブディレクトリ)
  HTMLDIR=""
 
 
HTMLFILE
HTML に変換された DocBook ファイルです (XMLFILE にあるファイルと同じ場合があります)。節は HTML 出力と連携していないので、HTML に目次があるように、自由に単一 book ファイルを使用してください。
  # html DocBook ファイル
  HTMLFILE=""
 
 
HTMLXSL
chunk XSL スタイルシートを使用する際のデフォルト値です。現在、HTML の実行ごとの、複数のスタイルシートの使用はサポートしていません。
  # Docbook XSL に使用する XSL ファイル
  HTMLXSL="http://docbook.sourceforge.net/release/xsl/current/html/chunk.xsl"
 
 

著者

  Neil Williams <linux@codehelp.co.uk>